『かすていら』
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2007.11.23 Fri 02:46:35
<火星・宇宙港 ロビー>
「お忙しいところ大変申し訳ありません。
ただ今、デンコードー火星中央店にて発生したテロの影響で
出入星規制を取らせて頂いております。
C.G.Cより規制解除の通達があるまで、
一般の方の出入星は出来ませんので、ご了承ください」
「あの~・・・どうしてもダメですかね?」
「どうしても、です」
「デンコードーのポイントカードあげますから」
「・・・・申し訳ありません」
「さっき宇宙船買ったんで、相当ポイント貯まってますよ?」
「・・・・・・・・・・
・・・・・・・・申し訳ありません」
「お忙しいところ大変申し訳ありません。
ただ今、デンコードー火星中央店にて発生したテロの影響で
出入星規制を取らせて頂いております。
C.G.Cより規制解除の通達があるまで、
一般の方の出入星は出来ませんので、ご了承ください」
「あの~・・・どうしてもダメですかね?」
「どうしても、です」
「デンコードーのポイントカードあげますから」
「・・・・申し訳ありません」
「さっき宇宙船買ったんで、相当ポイント貯まってますよ?」
「・・・・・・・・・・
・・・・・・・・申し訳ありません」
くそっ、やっぱりダメか・・・
これで、テロの件が片付くまで
この星から脱出できないことが確定してしまった。
僕の新しい世界へ旅立つ第一歩は、
とんだ偶然によって足止めを喰らってしまったのだ。
『ガイア』とかいうテロリスト達の要求は
「地球を開放しろ」という、よく分からない内容だったが
C.G.Cが素直に要求を呑むわけもない。
解決までにはだいぶ時間がかかると見ていいだろう。
はぁ・・・参ったな。
すごくやる気を出して中古の宇宙船まで買ったのに
なんか、スタートの合図と同時に足を引っ掛けられた気分だな。
それもこれも、あの『ガイア』とかいうテロリスト集団のせいだ。
地球の開放だかなんだか知らんが、
あいつらがデンコードーで余計なことをしなきゃ良かったのに。
しかも建物を爆破したりして・・・なんて野蛮な奴らなんだ!
ニュースではまだ死傷者が出たって話は無いみたいだけど、
僕に中古の宇宙船を売ってくれた店員さんは、無事なんだろうか?
「あぁもう!ちくしょったれー!」
宇宙港ポートに停めてある宇宙船の
後部リビングスペースで、僕は頭を抱えた。
はあ・・これからどうしようかな・・・
一旦部屋に帰って、いつまで続くか分からない
このテロの解決を待つしかないのか?
とはいえ生活費はほとんど残ってない。
せっかく買った、宇宙航海用の食料に手をつけるのも
なんだかすごくむなしい感じがする。
ホント、参ったなぁ・・・
ん~・・・
ふー・・・・
う~ん・・・・
・・・・・・・・・・・・・
ドンッ!!
「うぉあぁっ!!?」
唐突な爆発音。
これは・・・僕は一度聞いたことがある。
デンコードーの駐車場を出た時と同じ音だ!
「うそっ・・・・テロ!?」
あわてて後部ハッチを空け、外に飛び出す。
周りからざわざわと声が聞こえてきた。
同じく宇宙港で足止めを喰らって、ポートで待っていた人達も
みんな出てきたようだ。
そして・・・・
宇宙港ロビーの入口から、
黒煙が上がっているのが見える。
間違いない。
「マジかよ・・・っ!!!」
ウ~~~・・・・
ウ~~~・・・・
けたたましいサイレンが鳴り響き、
宇宙港の建物から人がなだれ出てきた。
うわ・・・こりゃあ、大パニックになるぞ・・・!
ギィン、ギィン、ギィン・・・ドシュッ!
「え?」
ポートに停まっていた一台の宇宙船が飛び出した・・・
ギィン、ギィン、ギィン・・・ドシュッ!
・・・ドシュッ! ・・・ドシュッ!
ド ド ド ドドドド・・・!!
次から次へと・・・
ポートに停まっている何百台もの宇宙船が離陸していく。
「え?・・・うそ?
え、みんなこの隙に脱出しちゃうの!?」
僕もあわてて宇宙船に飛び乗り、キーを回した。
ブーン・・・ ドッドッドッドッドッ・・
エンジンがかかり、大気圏外へ飛び出すための
『反動』をチャージし始める。
この宇宙船は旧式の『反動推進式』だから、
一般的な原子力推進式よりスタートに時間がかかる。
(反動推進式:モノとモノをぶつけた時の反動を
一時的に溜め込んで、まとめて開放することで推進力にする)
周りの宇宙船はどんどん離陸していく・・・・
確かに、いつまでもここに停まっていたら
テロに巻き込まれるかもしれない。
みんなただでさえ、突然の出入星規制で途方にくれていたんだ。
緊急避難、ってことで、このままバックレたとしても
そんなに文句は言われないかも・・・・
これは逆にチャンスなのかもしれない。
僕もこの混乱に乗じて、この星を脱出してしまおう!!
『チャージ100% 離陸できます』
「おし来た!」
ドッドッドッドッ・・・・・ ドンッ!!
「くぅあッ」
ギィィ───ン・・・・・・
ガン!
ドドッ
ゴロゴロ・・・・ ガンッ!!
「いっ・・・・てぇ!!」
・・・・・ィィ───ン・・・
シュ───・・・・・・
「いって~・・・くそ、シートベルト忘れてた・・・」
宇宙船の挙動が納まった・・・
どうやら大気圏を脱出したようだな。
窓の外から真っ暗な星空が見える。
(離陸の衝撃で、後部トランクルームまで吹っ飛んでしまった)
そういや、火星から外に出るのは何年ぶりのことだろう?
両親が亡くなる前、覚えてる限りじゃ一度だけ
月かどこかのテーマパークに行った覚えがあるけど、
もう10年以上も前のことだよな・・・
・・・・・。
「・・・さて。」
これから、どこに行こうか。
僕は立ち上がり、運転席に戻ろうとした。
と・・・
「ん?」
足元に、段ボール箱が転がっている。
コレは・・・なんだっけ?
?
あぁ、これはデンコードーで宇宙船を買ったとき、
すでにトランクルームに置いてあった箱だ。
工具だと思ってたけど・・・
よくよく考えてみたら、工具は座席の下にあるんだよな。
段ボール箱を開けてみた。
木箱が入っている。
木箱を開けてみた。
?
綿?が詰まっている。
他には、何も無い。
あ、いや、あった。
綿に包まれるように、小さい箱のようなものが入っている。
タバコの箱くらいの、真っ黒い直方体だ。
石のように硬く、つなぎ目は見当たらない。
非常にツルツルしている。というか・・・
光を全く反射しない。ひたすら真っ黒だ。
宝石か何かなのか?
「・・・なんだこれ。何に使うんだ?」
これで、テロの件が片付くまで
この星から脱出できないことが確定してしまった。
僕の新しい世界へ旅立つ第一歩は、
とんだ偶然によって足止めを喰らってしまったのだ。
『ガイア』とかいうテロリスト達の要求は
「地球を開放しろ」という、よく分からない内容だったが
C.G.Cが素直に要求を呑むわけもない。
解決までにはだいぶ時間がかかると見ていいだろう。
はぁ・・・参ったな。
すごくやる気を出して中古の宇宙船まで買ったのに
なんか、スタートの合図と同時に足を引っ掛けられた気分だな。
それもこれも、あの『ガイア』とかいうテロリスト集団のせいだ。
地球の開放だかなんだか知らんが、
あいつらがデンコードーで余計なことをしなきゃ良かったのに。
しかも建物を爆破したりして・・・なんて野蛮な奴らなんだ!
ニュースではまだ死傷者が出たって話は無いみたいだけど、
僕に中古の宇宙船を売ってくれた店員さんは、無事なんだろうか?
「あぁもう!ちくしょったれー!」
宇宙港ポートに停めてある宇宙船の
後部リビングスペースで、僕は頭を抱えた。
はあ・・これからどうしようかな・・・
一旦部屋に帰って、いつまで続くか分からない
このテロの解決を待つしかないのか?
とはいえ生活費はほとんど残ってない。
せっかく買った、宇宙航海用の食料に手をつけるのも
なんだかすごくむなしい感じがする。
ホント、参ったなぁ・・・
ん~・・・
ふー・・・・
う~ん・・・・
・・・・・・・・・・・・・
ドンッ!!
「うぉあぁっ!!?」
唐突な爆発音。
これは・・・僕は一度聞いたことがある。
デンコードーの駐車場を出た時と同じ音だ!
「うそっ・・・・テロ!?」
あわてて後部ハッチを空け、外に飛び出す。
周りからざわざわと声が聞こえてきた。
同じく宇宙港で足止めを喰らって、ポートで待っていた人達も
みんな出てきたようだ。
そして・・・・
宇宙港ロビーの入口から、
黒煙が上がっているのが見える。
間違いない。
「マジかよ・・・っ!!!」
ウ~~~・・・・
ウ~~~・・・・
けたたましいサイレンが鳴り響き、
宇宙港の建物から人がなだれ出てきた。
うわ・・・こりゃあ、大パニックになるぞ・・・!
ギィン、ギィン、ギィン・・・ドシュッ!
「え?」
ポートに停まっていた一台の宇宙船が飛び出した・・・
ギィン、ギィン、ギィン・・・ドシュッ!
・・・ドシュッ! ・・・ドシュッ!
ド ド ド ドドドド・・・!!
次から次へと・・・
ポートに停まっている何百台もの宇宙船が離陸していく。
「え?・・・うそ?
え、みんなこの隙に脱出しちゃうの!?」
僕もあわてて宇宙船に飛び乗り、キーを回した。
ブーン・・・ ドッドッドッドッドッ・・
エンジンがかかり、大気圏外へ飛び出すための
『反動』をチャージし始める。
この宇宙船は旧式の『反動推進式』だから、
一般的な原子力推進式よりスタートに時間がかかる。
(反動推進式:モノとモノをぶつけた時の反動を
一時的に溜め込んで、まとめて開放することで推進力にする)
周りの宇宙船はどんどん離陸していく・・・・
確かに、いつまでもここに停まっていたら
テロに巻き込まれるかもしれない。
みんなただでさえ、突然の出入星規制で途方にくれていたんだ。
緊急避難、ってことで、このままバックレたとしても
そんなに文句は言われないかも・・・・
これは逆にチャンスなのかもしれない。
僕もこの混乱に乗じて、この星を脱出してしまおう!!
『チャージ100% 離陸できます』
「おし来た!」
ドッドッドッドッ・・・・・ ドンッ!!
「くぅあッ」
ギィィ───ン・・・・・・
ガン!
ドドッ
ゴロゴロ・・・・ ガンッ!!
「いっ・・・・てぇ!!」
・・・・・ィィ───ン・・・
シュ───・・・・・・
「いって~・・・くそ、シートベルト忘れてた・・・」
宇宙船の挙動が納まった・・・
どうやら大気圏を脱出したようだな。
窓の外から真っ暗な星空が見える。
(離陸の衝撃で、後部トランクルームまで吹っ飛んでしまった)
そういや、火星から外に出るのは何年ぶりのことだろう?
両親が亡くなる前、覚えてる限りじゃ一度だけ
月かどこかのテーマパークに行った覚えがあるけど、
もう10年以上も前のことだよな・・・
・・・・・。
「・・・さて。」
これから、どこに行こうか。
僕は立ち上がり、運転席に戻ろうとした。
と・・・
「ん?」
足元に、段ボール箱が転がっている。
コレは・・・なんだっけ?
?
あぁ、これはデンコードーで宇宙船を買ったとき、
すでにトランクルームに置いてあった箱だ。
工具だと思ってたけど・・・
よくよく考えてみたら、工具は座席の下にあるんだよな。
段ボール箱を開けてみた。
木箱が入っている。
木箱を開けてみた。
?
綿?が詰まっている。
他には、何も無い。
あ、いや、あった。
綿に包まれるように、小さい箱のようなものが入っている。
タバコの箱くらいの、真っ黒い直方体だ。
石のように硬く、つなぎ目は見当たらない。
非常にツルツルしている。というか・・・
光を全く反射しない。ひたすら真っ黒だ。
宝石か何かなのか?
「・・・なんだこれ。何に使うんだ?」
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