Cat's Cafe

＜そう、あれはもう３年も前の事さ・・・・＞


今日、生意気な後輩と陽気な先輩に
『ネコ喫茶』というジャンルのお店に誘われた。


『ネコ喫茶』・・・・その甘い響きは
三度のメシよりにゃんくが大好物の僕のハートに、
深くまろやかに染み渡った・・・



「行きます！行かせてください！」



期末で仕事がギリギリだってのに定時で切り上げ、
諸先輩方の鋭い視線に耐えながら、
僕らは『ネコ喫茶』に向かったのだった。

「いらっしゃいませ～」


店内に入ると・・・
ま～、居るわ居るわ。20畳ほどの店内に
所狭しと約１０数匹のにゃんくがひしめき合っている。


「まずはそちらで、手を洗っていただけますか？」


はいはい。
これも可愛いネコ達を守るためですな。
洗面台でゴシゴシと手を洗い・・・
まずは部屋の隅っこのソファに腰掛けてみる。



・・・・・・。



・・・・。




ネコが一匹、近寄ってきた。




「チチチチ・・・やしやしやし・・・」




・・・・去っていった。





・・・・。




・・・・・・・。




『ネコ喫茶』と聞いて、『メイド喫茶』的なものを想像していたが
少なくともこの店は『マンガ喫茶』に近い形態のようだ。
部屋の壁側にはマンガが並んでおり、
ネコをじゃらしている人、紅茶を飲む人、マンガを読む人、
マンガ読む・・・と見せかけて、隙あらば
近づいてくるネコを抱え上げようと狙っている人。
みな、めいめいのスタイルでネコとのふれあいを楽しんでいる。


机の上に乗っているシートを手に取る。
どうやら注意書きのようだ。

　・まずはネコに近づいてみましょう。
　　最初は逃げられてしまうかもしれませんが、
　　あせらず時間をかけてください。

　・ネコはすばやい動きよりも、音に敏感です。
　　音を出して誘ってみましょう。

　・嫌がるネコを無理に抱きかかえてはいけません。

　・寝ているネコは起こさないであげてください。

　・・・・・・


ふと、
顔を上げると、


＜マスター、まだ開いてる？＞


うおぉぅ　(゜д゜;)


周りを見渡すと、ネコが４匹くらい集まってきている。
え？どうなってんのコレ・・・？
周りの人も、うらやましそうにこちらに視線を送っている。
どうやらその秘密は、隣に座っている陽気な先輩にあるようだ。


『チャラチャラチャラチャラ・・・・』

「先輩、これみんな先輩が呼んだんすか？
　どうやったんですか？」

「どうだ、スゲーだろ？これ。ネックレスよ。
　こういう音に、ネコって結構反応すんのよ」


＜くぎづけ＞


「さすが、実家でネコ飼ってるだけあって、慣れたもんですね。
　完全に注目浴びてますよ。」

「マァね。プロですから」





突如降臨した『ネコ使い』の存在により
１時間コース（1,500円）をたっぷりとネコと触れ合う事ができた。








普通にマンガ喫茶に行くより
若干高い程度の料金設定。
ネコとうまいこと触れ合えるかどうかは
運と実力がある程度必要になるかもしれないが、
時間が余ったときの暇つぶしに、気軽に来れて良いかもしれない。


たっぷりと癒され、店内を後に。
機会があれば是非、また来てみたいなぁ・・・